「ハゲタカ」からのファンで真山氏の著作は必ず読んでいますが、「マグマ」あたりから話の進行が冗長気味なように感じます。本作でも上巻の終わりまでなかなか話が進まず、「ハゲタカ」のようなキレを期待していると裏切られます。下巻に入るころから徐々にヒートアップしてきますが、最後まで「ハゲタカ」のような話に引きずり込まれる感覚はあまり得られませんでしたし、筋に関係ない人間描写が多すぎてテンポが悪い気がします。テーマは確かに機を得たものでリアル感も相変わらずすごいのですが、待っていた新作なだけにちょっと残念です。
さすがです!おすすめ度
★★★★★
いや、さすがです。
北京五輪に原発というデリケート極まるテーマ。著者でなくては書けない作品であろうと思う。
原発という一般にはなじみのないものを、小説の材料にできたのは、著者の力量によるものだろう。
また現代の中国という国の描かれた方もすばらしい。
領収書まで売買の対象になっているというくだりは、金になるものならば何でも、という拝金主義にまみれた空気を端的にあらわしていた。
オペラ、トゥーランドットの姫の謎掛け「夜毎それはうまれ、夜毎それは消えるもの」--希望--がこの小説のキーワードである。
以下は本文の抜粋である。
-----希望、そんなものの存在すら知らない中国人だっている。先進国は中国の格差に注目するが、そもそも中国に格差など存在しない。富めるものと貧しきものはそれぞれ別の国の住人なのだ。彼らは互いの存在を見ようともしないし、見えたとしても何も感じない。その無関心こそが大中華を支えているのだ----
どうでしょう?中国人官吏・郭がつぶやくこのセリフ。
中国が見えてきませんか?
トゥードットは中国という国そのもの。ラストも意味深。
エンターテイメント性はもちろん、中国を理解できる一冊です。
オリンピック前の今、読むべき!違う角度から五輪が見えてきます!
希望おすすめ度
★★★★★
「希望」
中国人と日本人を繋いだのは「希望」だった。
北京オリンピックと原子力発電という2つの事柄を描いている。その描き方がなんとも「熱く」ていい。
祖国とは何か。国家の品格とは何か。人間の品性とは何か。生きるとは何か。仕事とは何か。自分の死に場所は何処か。誕生から死に向かう道程を「人生」という。ならば、如何に生かされるか、如何に死ぬか。自分で選択できるのは、如何に生きるか。だとしたら、自分にとって尊いもののために良く生きたい。そんな想いにさせられました
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。これだけは手に入れようと思い購入を決めました。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!