正統的な異端。おすすめ度
★★★★★
後期印象派から北欧ルネサンス、そして東洋美術への回帰。
欧化してゆく日本の文化、芸術に危機感を覚え自発的に近代から離れ
反発し、めまぐるしくスタイルを変えながらも岸田劉生の絵には
どこか静寂が満ち溢れ、瞑想的ともいえるような統一感がある。
たぶんそれが彼の言う「神秘」であり「内からの美」なのだろう。
新しい芸術を創造しようとする気概に溢れた日本の芸術家たちにとっての
明治末期から昭和初期にかけた時代は刺激的で熱く、生きがいのある時代
だったんだなぁ。。。とちょっと、うらやましくなりました。
「近代は近代のままで深いクラシックに到達しなければならない」
その言葉のままに、岸田劉生の辿った道は現代の視点から見ても画家として
怖いくらい正当だと思う。
画集なので大型本を予想していたのですが思ったよりも小さめに感じました。
(やや大きめの絵本サイズといった感じです)
掲載されている絵も平均的にコミックの表紙サイズですが、それでもやはり
サイズに関係なく岸田劉生の作品にはインパクトがありますね。
基本的に左ページに絵、右ページに劉生の言葉、といった構成でまとまっています。
個人的にはとても美しい本だと思いますし、巻末の解説と年表以外は
ほぼフルカラーですので、入手可能な岸田劉生の画集のなかでもこの画集は
たいへん素晴らしいものだと思います。
岸田劉生に興味をもっておられる方には、ぜひお勧めさせていただきます☆
大変良く出来ています。
おすすめ度 ★★★★★
届いてからずっと気に入っています
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!