ぷよぴたっ!

読売ニュース

ファミスタ

+ 七瀬ふたたび (新潮文庫) +

七瀬ふたたび (新潮文庫)

筒井 康隆
おすすめ度:★★★★★
最安値はこちら!

Amazon.co.jp



超能力者たちの孤独感と同朋意識が生き生きと、スリリングに描き出されている
おすすめ度 ★★★★☆

 他人の心を読むことのできる精神感応能力者(テレパス)、火田七瀬(ひだ ななせ)を主人公にした三部作、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』。その第二部にあたるのが本書『七瀬ふたたび』で、七瀬のような超能力を持つ人間の孤独感と同胞意識、彼らを抹殺しようとする国家権力と超能力者たちとの戦いが描かれています。

 七瀬サイドに立つ超能力者として、同じ精神感応能力を持つ男の子、未来を予知できる青年、物体を遠隔操作できる念動力(サイコキネシス)を持つ黒人青年、時間旅行者(タイム・トラベラー)の娘の、総勢五名。特異な能力を持つが故の彼らの孤独感と葛藤、互いに心を許し合える同胞にめぐり会った喜びがリアルに描き出されていて、スリリングな緊迫感がありましたね。なかでも、時間旅行者という超能力者を登場させたことが、話に変化と深みを生み出す上でバツグンの効果を発揮しているなあと思いました。

 <とてもいい書き出しだ。夜汽車で火田七瀬の見た予知場面なのだな、と気づいたとたん――それは最初のページで気づくのであるが――スイと作品の流れに乗っていける。>にはじまる平岡正明の文庫解説文も、作品のツボを押さえたナイスな語り口。読みごたえ、あります。



作家は主人公のキャラクターにケリを付けたかったのだろうか
おすすめ度 ★★★★★

 主人公の魅力による人気で、作家としても予想外に続編を書くに至ったのではないかという気がする作品だ。
 今度の作品では、主人公は孤独から解放され仲間を得る。それぞれ特殊な能力を持つ、エスパーたちだ。エスパーものの作品では能力を持つが故の不幸、迫害、逃避というのが付き物だが、本作品も例外ではない。特殊能力を有する仲間たちとの邂逅から始まって、彼らを狙う謎の組織からの逃避が始まる。
 全国を舞台にした逃避行は映像的なドラマ性十分だ。三部作の中では、第一作が二時間ドラマの連作とすれば、この第二作はサスペンス映画かSFアニメと言ったところで、一番映える作品だと言える。それだけに結末は非常に悲しい。
 続編であれば、七瀬の生い立ちをたどったりすることで、いくらでも再度ストーリーは創作できそうに思える。敢えて七瀬を追われる立場にして物語にけりを付けたかったというような意志を感じるあっけない作品だ。



筒井康隆さんの3部作の一つ、面白い。
おすすめ度 ★★★★★

超能力を題材にした作品。人の心が読めるとは、こうゆうことなのですね。筒井さんの作品はどれも飽きさせない。特にこの作品は感動がある。読んでいると、まるでSF映画を見ているような感じ。



ラストは泣けます。
おすすめ度 ★★★★★

ラストは、涙なしで読めません。
七瀬達の悲劇には。



子供の頃は疑問に思っていました。
おすすめ度 ★★★★★

なぜ、「ふたたび」なのか。『家族八景』という前作があるのを知ったのは随分あとの事でした。
さらに、超能力者の皆がひとりひとり倒れていったあとにまさかの更なる続編があるのを知ったの
はもっとあとでした。だってタイトルだけじゃ判らないんですもの。
そんな『七瀬ふたたび』。やっぱり三部作の中では一番好きです。少年漫画や、長く続いた超能力
小説の様にどこまでも強さとスケールがインフレ化せずにうまくまとまっていたのが傑作との誉れ
が高い所以だと思います。そういった意味では三作めは好きではないし、蛇足だと感じたのですが。

余談ですがこの作品が好きな理由を自分なりに分析してみたところ、一つの結論にたどり着きまし
た。この物語の構成は、『水滸伝』です。ひとりひとり社会を追われたアウトローが集まっていき
ユートピアを夢見るが、最後には奸計に遭い滅んでいく。個性的な主人公たちが集まっていく過程
のワクワク感や、滅びの悲壮感まで描いているところが水滸伝的で心に残るのだと思いました。ア
メコミの『X-MEN』を好きなのも多分、同じ理由(笑)。



すばらしい
おすすめ度 ★★★★★

非常に素晴らしい一品だと思います 。値段の割には上出来。
買って良かったと思います。



筒井康隆 動画

筒井康隆



小栗風葉 筒井康隆 アバ