当時は戦記の名にふさわしい「パーフェクト・ブルー」製作日記の戦いぶりに(何と戦っていたかはあえて伏せますが)「怖ッ」と思っていたのですが、しかし必然性のある不幸の連鎖は実は・・・と、まだ生まれていない「東京ゴッドファーザーズ」の萌芽も見ることが出来たり、不思議なことに今読むとまだ企画すらなかったであろう「妄想~」や「東京~」までフォローしている不思議な本です。
パーフェクトブルーからの道おすすめ度
★★★★★
漫画家・アニメーション作家である今氏の個人web siteが書籍化された。かねてより氏のサイトの更新を楽しみにしていたから、驚くと同時に大変喜ばしい。そして、やはりwebにはwebの書籍には書籍の味、旨さがあると感じた。
副題に「千年女優」への道、とあるが過半を占めるのは前作の制作記録たるパーフェクトブルー戦記。これは、98年春に公開され、現在DVDとして入手可能なアニメ界初のサイコホラーとも言われた標記作の製作記である。勿論、制作が一段落した(らしい)時点からwebでの連載が始まっているから、回顧録と言うべきかも知れない。その意味では本書はパーフェクトブルー経由、千年女優への道とも言えよう。何かを為す営みは綺麗事だけでは済まないもののようだが、それにしても、凄絶である。同時期にささやかな困難に立ち向かっていた身としては奇妙な安堵感と心強さを感じたものだ。
勿論、氏のwebでは制作と同時進行であった遙かなる千年の呼び声という章は先頭を飾っている。特に、シナリオがいかに育って行くかのプロセスは千年ファンならずとも興味のあるところ。
後半、氏の雑記帳とでも言うべきNOTE BOOKから5本が選ばれての収録。氏の生き方、人生に対する姿勢とでもいうべきものが良く伝わってくるトピックが選ばれている。選に漏れた話題の中にも心惹かれる何かがあるはずだ、そう感じられたらwebでお邪魔してみるも一興。
大変良く出来ています。
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。これは買わねばならないでしょう!
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。