尊く、きれいだと思いました♪おすすめ度
★★★★★
大げさではなく、称えるわけでもなく、ただイーヨーの美しさが心に迫ります。私は、一言の言葉が持つ限りない世界に心をつかまれるような心地でした。映画の最後に、イーヨーが「静かな生活」と言ったとき、何ともいえないきれいなものに包まれると思います。
メイキングもとてもいいです。大江光さんご本人が撮影現場を見にくるのですが、光さんのある言葉に渡部さんが泣いてしまいます。この場面は、イーヨーだけでなく出演者はじめ製作者の方たちの感受性の豊かさや美しさに、胸がいっぱいになりました。劇中に使用される光さんの曲も素晴らしいです。
はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。従来の伝統を引き継ぎつつ、バランスがうまくとれてます。
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!
概要
絵本作家を目指すマーちゃん(佐伯日菜子)には、音楽の才に恵まれながらも障害を抱えた兄のイーヨー(渡部篤郎)がいた。パパの海外転勤でイーヨーと弟のオーちゃん(大森嘉之)の面倒を見ることになり、てんやわんやとなるマーちゃん。そんな折、マーちゃんはイーヨーの水泳レッスンのコーチを買って出てくれた新井君(今井雅之)にすっかり気を許してしまうのだが……。
大江健三郎の短編小説を伊丹十三監督が映画化したヒューマンストーリー。音楽はイーヨーのモデルでもある大江の実子・大江光の楽曲を使用している。伊丹映画の中で唯一原作のある作品であり、またキャスティングも若手の多い新鮮なものとなっているなど、フィルモグラフィの中で異色ではあるが、伊丹監督としては新境地を開拓、というよりもこれまでとは違った肩の力を抜いたものを目指したかったのかもしれない。ただし、人間の表と裏を露呈させる彼の濃いタッチは、やはりここでも健在ではあった。(増當竜也)