これは、もう映画を超えてる。おすすめ度
★★★★★
「ライアン二等兵一人を助ける為に大尉を含む8人が助けにいく」という、とってつけたようなテーマが、ちょっと陳腐で安っぽくて、映画の意味を深化させていないのは残念なんですが(だからアカデミー賞逃したんでしょうね)、 この映画は、ほとんど全く新しいジャンルを作り上げたといえます。ほら、博覧会でアイマックス3Dを使った宇宙体験とかありますけど、もし戦争大博覧会というのがあって、第二次世界大戦の兵士の体験シュミレーションコーナーとかあれば、これがまさにそういうものですよね。世界観が変わりますよ。しかし、オマハビーチの手動カメラによる、カミンスキー撮影監督の映像はすごいと思いましたが、彼自信が監督した映画のひどさをみれが、やはりスピルバーグがすごいんですね。
ところで、この映画を見た人に、ちょっとしたオマケの情報をお教えしておきますと、多くの観客が勘違いする点に、「ミラー大尉が逃がしたドイツ捕虜兵と、ナイフでメリッシュを殺したドイツ兵と、最後にアップハムに撃たれる兵士はみな同じ兵士でないのか」、という疑問がありますが、ナイフ兵だけは、全くの別人です。顔が似ていますが俳優も別人です。スピルバーグがインタヴューでそう言ってました。さらにナイフ兵はワッフェンSSで、捕虜男はアーミーです(よく見ると制服が違う)。ユダヤ人のメリッシュが、オマハビーチでヒットラーユーゲントのナイフを発見するところが伏線になってると二回目見て気がつきました。
さらに私は、「あのオマハビーチに散乱してた、鉄製のイガイガのテトラポッドみたいなのは何?」というのがずっと謎だったんですが、あれは「ヘッジホッグ」という対上陸艇水雷で、あの先っぽのところに爆弾がついてて、触れた船底を爆破するそうです。「なんでビーチに干上がってるんだ?」と思うかもしれませんが、何もドイツ軍は満潮時の上陸を想定していたのに、連合軍は干潮時に上陸したんだそうです。だから、上陸の時、満潮時の海岸線にある地雷地帯まであれだけの距離があったわけです。
さらに、ドイツ軍に増援がこないのは、すでにドイツ軍の背後で空挺部隊が増援分断の活躍をしてるとか(だから上陸部隊はどんなに死闘しても撤退して彼らを見殺しにできないわけです)、ヒットラーは、まだあの時点で、ノルマンディー作戦自体がオトリ作戦と信じ、新たな戦力の補給をしなかったとか、この映画には説明セリフらしきものは全くないので、こういうところをもう少しパンフレットが説明してくれていたら助かったんですが。。。特に日本人には。
とにかく、この映画の本当にすごいところは、これだけリアルなのにちゃんと「エンターテイメント」になってるんですよね。3時間があっという間にすぎます。いくら良くても映画は「歴史のお勉強」になったらダメですから。エネミーオブザゲイツを含めてこの映画を凌ぐ戦争映画はまだできてません。リドリースコットの「ブラックホークダウン」が今から楽しみですが。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
非常に素晴らしい一品だと思います
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。