亡霊の様な廃墟の街おすすめ度
★★★★★
ここのところあまりチェルノブイリに関する噂を耳にしないので
多少気になっていたところにこの本が出版されたので即座に手に取り購入。
あの世界中を震撼させた恐ろしい大事故から20年以上の時が流れてしまった。
住民たちから捨てられ抜け殻のようになった街だが、たわわに実った通称「毒リンゴ」
や撮影兼著者が落ちていたものを拾おうとすると管理者から危険だからダメと警告
される事故当時の恐怖が続いている事実。
風雨にさらされ建物が朽ちていくのはしょうがないなあと写真を見て思ったが、
引出が開けられ中身が無造作に散乱していたり、ベッドのクッション・布団が持ち去られ
スプリングが丸出しになったいたり、便器が破壊されその脇に人形が落ちていたりする。
確か、よほどの事がない限り外部の人間は街に入って行けなかったはず、明らかに
人為的なもの(火事場どろぼう)の仕業と見受けられる、命知らずの連中だが
今頃どうなっていることやら・・・・一寸心配になった。
多分世界最大の廃墟でこの写真集はそういった廃墟写真マニアや探検マニアの心を
くすぐると思う、個人的にはあるアパートの壁にブザーを押す黒い影の写真が気になった。
侵入者のいたずら?それとも住人が子供のために描いたイラスト?
広島・長崎の原爆で爆死した人の影が焼きついたのを思い出した・・・・・。
貴重な一冊おすすめ度
★★★★★
都市が一瞬にしてゴーストタウンと化したチェルノブイリ原発事故。
事故から22年、今だ放射能汚染により立入禁止となっている区域に足を踏み入れ、チェルノブイリの現在を捉えた貴重な写真集。
その一枚一枚の写真は事故の悲惨さを伝えると共に、不謹慎と思いつつも美しさを感じてしまう。
そして、凄まじいまでの絶望感はまるで世界の終焉を見せられているようだ。
毒リンゴと呼ばれる実のなる木、一度も人を乗せることなくその役目を終えた観覧車など、1ページごとに様々なドラマが交差する。
最後のページを閉じたとき、壮大な一つの物語を体験したようだった。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。ファンであれば購入価値は高いかと存じます。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。